TSU・NA・GI

●編集後記「ひとりごと」 12

 最近大学では、「ゼミ選考」が皆の関心事。大学生活を規定する大きなものであることもあり、研究計画書やレポート、そして面接の準備に注力する学生は多い。私もその一人である。◆しかし、急に取り組んだところで、「無」からは何も生まれないし、また、一の事を百にしては語られない。案外、その事を忘れている人がいたように思う。私に「どうしたらええん?」と尋ねてくる友人の中にも、その意識はあったように思う。◆同じ様なもので、「面接で何を気をつけるの?」、こんな問いもあった。日々の行いが結晶化し、析出されたものが、面接では見られるはず。どんなに取り繕ったって、必ずボロは出よう。◆「終わりなき日常」の中での出来事、そして所産が、こういった自分がはかられる場では「勝負」になる。そう思うと、一日一日何をしたのか顧みる時間を持ち、明日へとつなげなければならないのだろう。「ゼミ選考」の機会が、「これまでの」学びを、「これからへの」学びへつなぐ時になればいいのにと思う日々である。私も同じ戒めを心に刻みたい。(かわなか)

「TSU・NA・GI」編集長 川中 大輔

TSU・NA・GI第2巻第8号(2000/11/20発行)より