TSU・NA・GI

●編集後記「ひとりごと」 16

 春休みが終わり、新年度が始まりました。4月といえば、入学/入社・人事異動の時期ですが、私の通う大学にも、新入生が入ってきました。今年3年生となった私ですが、彼ら/彼女らを見ていて、2年ほど前のことが思い起こされました。◆「大学生になったら、色々なことができるんだろう」、そう期待に胸膨らませていたものです。その頃の私には、今の自分の姿がイメージできていませんでした。まさか、私がNPOの世界で活動をするとは思いもよりませんでした。当初のイメージとは、大きく異なった「わたし」が「今ここに」います。だからといって、後悔しているのではありません。寧ろ、良かったと思っています。◆それは、「成長できた」からでも「仲間が出来た」からでも「楽しい」からでもありません。確かに、それらが「満足」をもたらしている要因の一部分ではあります。しかし、何よりも自分自身の中で、自分という存在を社会の中で位置付けられたことが、大きな要因ではないかと思っています。◆社会に関心を持つということは、自分を社会のメンバー(成員)であると自認することがスタートだとすれば、それは自らの「布置状況」を知る中で明らかになるのではないでしょうか。大学1年生のみんなが、何らかの活動を通して、「自分」と向き合いながら、「自分」のまわりに、そして社会に目を向けられれるようになればと、思いつつ、初々しい学生と接している毎日です。私も「まだまだ」未熟者なのですが……。(かわなか)

「TSU・NA・GI」編集長 川中 大輔

TSU・NA・GI第3巻第1号(2001/4/20発行)より