TSU・NA・GI

●「のじまのつぶやき」 1 〜「TSU・NA・GI」創刊に寄せて〜

 そういえば、ハンバーグにもつなぎが使われている。挽肉やタマネギのみじん切りと一緒に入れられるパン粉や小麦粉のことだ。某ハンバーガーショップでは牛肉100%と言っているが、普通にハンバーグを作ろうとしたら、牛肉だけではあのような形にはならない。ぱらぱらの挽肉の炒め物ができあがってしまう。それぞれの具材同士を引っ付けるものがないのだ。
 普通、ハンバーグには牛肉やタマネギ、時にはお母さんが子どもの好き嫌いをなくそうとして人参や鰯を細かく刻んで入れたりもする。つなぎはそれらの具を一つの形にまとめる役割を持っている。また、それぞれの具から出たうまみやエキスを吸い込み、ハンバーグの中に閉じこめる役割も果たしている。つなぎは、焼きあがったハンバーグの中には決して姿を見せないが、その形を一つにまとめ、それぞれの味わいを調和あるものにするため、大切な意味を持っている。
 私達や私達に関わってくれている方々は、様々な味を持っている。その個性や特質は、一見、バラバラの様にも見える。しかし、この「TSU・NA・GI」が、それらを一つにまとめ、その持ち味を最大限に引き出してくれることを願っている。

(ブレーンヒューマニティー代表 能島裕介)

TSU・NA・GI第1号(1999/11/20発行)より