TSU・NA・GI

●ポレポレで行こう 5

 私がこの連載を任されてはや4回目です。ということで今回はこの題名の由来をお話ししてみたいと思います。
 私がこの言葉と出会ったのは今から5年前、浪人生の時です。予備校に通う私は朝から晩まで勉強漬けの日々。その日の天気が何だったかも分からないほどでした。そんな緊張状態の中で、私がとても楽しみにしていたことがあります。それは東京からのサテライトで行なわれるN先生の英語の講義でした。彼の講義は分かり易いのはもちろん、合間に入る雑談が最高で…。その雑談の中で「ポレポレ」という言葉を知ったのです。
 彼は実際にアフリカを旅して、そこではすべてがのんびりゆっくり流れていること、雄大な自然の前には人間はちっぽけだということを知りました。だから狭い日本で「受験」に追われる私たちに、ちょっとこころの余裕を持って欲しいとこの言葉を送ったのです。私も焦ってどうしようもない時にふと思い出しては落ち着かせていたように思います。
 だからみなさんにもちょっとした「ポレポレ」な気持ちを持ってほしいな、と今使っているのです。そうすれば今まで見えないものも見えてくるのではないでしょうか。

特定非営利活動法人ブレーンヒューマニティー
HEP事業部副事務局長・HEP講師
志水麻衣子

TSU・NA・GI第2巻第4号(2000/7/20発行)より