本を読んでて思うこと
今日は、最近読んだ小説の話。
「サラバ!」や「i」などの作者、西加奈子さんの
「舞台」をさっき読み終えました
太宰治の人間失格が好きな自意識過剰すぎる青年が、
NY旅行初日に全ての荷物を盗難に遭い、
自分の自意識と現状との間で葛藤するお話です。
これを読んで面白いと思う人もいれば、
つまらないというか、理解できない、むかつくと思う人もいると思う。
でも、この青年のように、自分は初海外の初日で浮かれて荷物盗まれるキャラじゃない。
そんなの恥ずかしすぎて、人に言えるわけない、なんとかごまかそうみたいな感覚は
少なからずみんなが持っているだろうなと思います。
そんな自意識過剰で、常に自分を取り繕ってるような青年を見て、
取り繕ろうのは、大事な能力だなと思ったんですよね。
「取り繕う」と言うと、悪いイメージ、文脈で使われることが多い。
でも、悪い意味で使われるのは、結局取り繕い切れないからだと思うんです。
完璧に取り繕えたら誰も文句は言わないというか、気づかないし、
そのみんなが気づいてない間に、根本的に解決しちゃえば無傷なはずなんです。
体裁を整えようとするのは、自分の理想の姿が具体的でそれに従って行動しようとしているわけで、
体裁すら整えられないやつよりよっぽど進んでるのでは?と思うわけです。
そんなことを色々と考えている今日この頃です。
こまい