作りこみすぎないサービス

とある日の午後、インフォメーションマネージメント理事のK君から連絡があった。

ブレーンヒューマニティーでインフォメーションマネージメント部門というのは、
俗にいう広報担当と呼ばれるポジションで、主に広報戦略を考えている。

そんな役割の人から連絡があり、ブレーンヒューマニティーのホームページのアクセス数が下がってきているので、職員もブログを書いてくださいとのことだった。

テーマは?と聞くと、「最近あった出来事についてでお願いします」とのこと。
小学生の夏休みの宿題でももう少し具体的なテーマをくれそうだ・・と思いつつも
なんとも難しいお題に答えていきたいと思う。

 

 

とはいえ、最近事務所にいない事務局長なので、最近僕が尼崎でやっていることを紹介からしていければと思う。

僕は今尼崎のユースセンターで中高生を中心とする若者にユースワークということを行っている。


<ユースワークとは?>

ユースワークの主な目的は、若者の個人的および社会的成長と彼らの社会的包摂である。ユースワークは、若者が、享楽(enjoyment)、挑戦、学習および達成(achievement)を統合した非公式の教育的活動を通して自分自身、他者および社会について学ぶことを援助する。ユースワークは、さまざまな形式のすべてにおいて―すなわち、知的、身体的、感情的および精神的なすべての形式において、若者の幸福(wellbeing)と成長を提供する

 

ユースセンターには、日々いろんな人が来る。
福祉的な視点で支援が必要な若者、経済的に苦しい世帯の人や、不登校やヤングケアラー、障がいを持った人、外国籍の人もくる。

また課題を抱えた若者だけではなく、部活を頑張っている人や恋愛に明け暮れる人も、受験勉強を頑張る人もやりたいことをやりたくて燻っている若者もいる。

そんな若者に対して、僕たちは、
ユースとは、可能性があり、”揺らぎ”がある存在である。
と定義して活動支援を行っている。

 

色んなイベントなどを行いながら、若者たちと出会って
非日常から日常へと移行し、対話をしながら、自分たちのやりたいことをやっていく。

そんなことを繰り返している。
若者の声をもっと大きくしていこうと、Up to You!という若者を集まりを立ち上げて、
身の回りの課題解決に向けて動き出したりなんかもしている。
※前回尼崎市の市長や副市長などにも参加いただき、活動報告会を行ったんで、こちらもまた見てください。

 

そんな感じで毎日過ごしているのだが、日々勉強して、いろんな人の話を聞きながら進めていたりする。

とある時にとある方から言われたのが、

「若者事業において、完全なサービスを提供することは、サービスの受け手と作り手を完全に分けることになる。つくりこめば作りこむほど、自発性は生まれない」

という一言。

 

あまり意識していなかったことでもあるので、とてもハッとなった。
確かに自分のやりたいことなど声をあげていくことは大事であるが、あとは大人がすべてやってくれるという風に思われるとよくない。
むしろ若者たちがどんな風にしたいのか、どうすれば問題は解決できるのかを一緒に考えながら進めていき、こちらとしては余白を残しておくくらいの方が面白かったりするのである。

 

ヤングケアラーの当事者の人と、話をした時にも、「もちろんケアはしんどいことも多いが、ケアを完全になくしてしまうと私がわたしでなくなる」という声もあった。

課題を抱える子どもたちにとっても、いち早く当事者を見つけ環境を整えていくことは大事ではあるが、
その問題に対して、本人がどう感じ、どうしたいのか、本人がどのように向き合っていくのかを一緒に考えることができる環境も必要だととても感じた。

 

 

僕的には、「余白」という言葉は最近かなり意識をしているので、
BHの大学生もぜひ意識してみてほしい!

そう考えると、今回のインフォメーションマネージメントのK君のこのブログ作戦は、サービスを作りこみすぎず、自分で考えて!という「余白」だったのではないかと思う。