活動記録 |
「さぁ、どうぞ」これが、ヒューマン・コミュニケーション・ラボラトリー(以下、HCL)の中のTグループと呼ばれるセッションの最初で最後の問いかけであった。研修は驚きと困惑と共に、始まった。 HCLという研修を当会と聖マーガレット生涯教育研究所の共催で8月28日から31日まで、3泊4日の日程で実施した。講師は、同研究所主任研究員の長尾文雄氏、関西学院大学社会学部専任講師川島恵美氏、京都ノートルダム女子大学専任講師山本智也氏が担当してくださった。参加者は、関西の国公立、私大から大学生から大学院生までの計16名が参加した。男7名、女9名と男女のバランスも良く、8人ずつの2グループに分かれて実施した。 研修の始まりは、ねらいの共有化から始まる。ねらいは、「1 いま、ここで、他者はどのように考え、感じ、何を求めているか」「2 いま、ここで、自分はどのように考え、感じ、何を求めているか」「3 お互いにどのような影響を及ぼしあっているか」「4 自分のグループはどのように流れているか」などに気づき、それらを自分のいる場で、活かす事を試みるということである。このとき、これらの言葉が私たちの中でよく分からなかったことは言うまでもない。 この研修は、講師から何かを与えられて学ぶものではない。学びの教材は、まさにそのグループに何もないところか起こってくる人間関係である。だから、研修は「さぁ、どうぞ」で始まるのである。 ここまで読んでくださった方に感謝しつつ、あまり今までの文章ではよく分からなかったのではないかと、推察する。そこで、私が気づいたことを少し記して、HCLの報告とする。 私は、感情を表現することよりも、なぜそのような感情を抱くのかを説明することが、事態を改善したり、良い結果を導く手段だと考えていた。つまり、事象を説明するのである。だから、感情的になったり、感情的に話したりする人は、比較的苦手だった。しかし、この研修を通して、相手に何か(特にいやなこと、辛いこと)を言われたときに、自分がどのように感じるかを表現することの大切さを知った。なぜなら、事象の説明では、相手に何も伝わっていない!というやりとりを目撃したからである。 事務所に帰ってきてから、森山が人間らしくなったともっぱらの噂であるようだが、この研修での気づきを日常でも活かすことができるよう頑張りたいと思っている。研修は、現実ではあったが、何でも言えるという非日常であった。日常において、この研修の成果が試されている。 このようなラボラトリー方式の研修に興味を持たれた方は、ぜひ森山までご連絡いただきたい。 (HCL実行総責任 森山 隆一) |