TSU・NA・GI

●Learnin’99終了、そしてLearnin’2000へ

 昨年、当会は震災遺児への学習支援プロジェクトとして「Learnin‘99」をスタートした。震災から5年。今尚、その影響を心に持つ子どもに「僕らだから」出来ることを考え、「勉強」に特化して、立ちあがった取り組みも、年度末で「Learnin’2000」という新たなスタートに立つ。その節目に、ラーニン講師陣に率直に思ったことを語ってもらった。それは、終わりの時ではなく、新たなスタートの時に記された言葉だった。


 何も構えず、子どもたちと同じ目線に立ち、相手を震災遺児と考えることなく、1人の人間として接した方がよいということが実感としてわかりました。(Learnin'99実行総責任・ブレーンヒューマニティー被災児童支援事業部代表 木下陽介)


 半年間やって思ったのは、遺児だから何かしてあげようというのではなく、人としてまっすぐ向き合って接することが大事だということがわかった。(落合由理)


 やっと子ども達ともなじめてきたのに、もう少しで終わるのは残念です。もっと子ども達のことを知りたかったし、一緒に勉強したり遊んだりしたかったです。これからもレインボーハウスでの経験を生かしていきたいと思います。(亀山絵美)


 何度か勉強を見ていく中で、こんなにも学ぼうとする意欲が少ないのは、何かに対する諦めではないかと感じるようになりました。やればできるという体験を何度も積み重ねることで自分への自信が生まれてくるよう期待します。(岸本典子)


 何人か子どもをみてきて、色々と考えることもありました。勉強を教えに行ってはいましたが、逆にたくさんのことを教えられたと思います。 (匿名希望)


 震災に遭っていない私が、強く、たくましく生きていって欲しいなどと容易に口にすることはできないけれど、私にできることと言えば、子どもたちの心に歩み寄る努力をし続けることだと思った。(杉谷雅子)


 私は震災遺児たちの悲しみがいか程かよく分かりません。死別経験のない人が、死別経験をした人を支援することは、難しいと思えますが、子ども達を支援したいという思いがあれば、そういうことは関係ないと思います。(常峰聖)


 ラーニンの活動は私にとってボランティアの再スタートであるかのように感じました。なぜなら、もう一度始まりに戻って、私がしてきたことやボランティアとは何かや子ども達、人々との関わり方などについて考えることになったからです。(牧井久美子)


 みんな一つの活動を通して、色々な事に気づき、色々な事を学んだようである。
 最後にその様な当会スタッフを温かい目で見守り、アドヴァイスを投げ掛け、共に歩んでくださったレインボーハウスディレクターの八木さんのコメントを紹介し、本特集を終える。
 ブレーンヒューマニティーの学生ボランティアの方がレインボーハウスに通ってきて半年。早いもので第1クールが終わろうとしている。学習塾ボランティアが始まったばかりのときは、どうなるかと心配したが、子どもたちもすっかり学習塾の雰囲気に慣れ、ボランティアにもなついている。子どもたちが増える傾向にあるのは、学生ボランティアのやさしさや、親身さのおかげだと思っている。子どもはボランティアから勉強を学び、ボランティアは子どもから人間を学んで欲しい。(レインボーハウスディレクター 八木 俊介)


TSU・NA・GI 第4号(2000/3/20発行)より