TSU・NA・GI

●当会フリースクール開設に寄せる

 ついに4月3日、当会フリースクールがオープンしました。
 当会スペースは昨年から、インターネット上で、当会事務所での公開ミーティング上で、いろいろな方々からご意見をいただき、みなさまの力によってかたち創られてきました。
 このように、当会スペースの底辺を創ってくださったのは、当会スペースに興味を持っていただいた大人を中心にした方々です。しかし逆に、当会の活動内容については、当会スペースに来てくれる子どもたちが中心になって決めていって欲しいと思います。
 現在、参加・見学をしてくれている子どもたちは3名とまだまだ少ない状況です。まだまだいろいろな面で手探りの状況が続いていますが、ここに来てくれる子どもたちに対しては、こちらのスタッフから何かを押しつけるのではなく、できるだけ自然体で子どもたちのしたいこと・希望を汲み出していきたいと思っています。
 よく、フリースクールでは勉強はしないのか、というご質問をいただくことがあります。
 そういうご質問に、僕は「押しつけでは、何事も一切しません」という答えを出します。
 確かに、勉強による知識は大切であると思います。ただ、自分の興味のない知識を無理に覚えたり、やりたくないときに勉強をするというのは、たいへん時間の無駄なことだと思われるのです。
 そのようなこともあって、少なくとも当会スペースでは、子どもたちに、いやいや知識を詰め込もうとするのではなく、興味のあるときに、集中力とやる気を持って、ものごとを学んでいって欲しいと思っています。
 そしてそれで知識に偏りが出る結果となっても、それはそれでいいのではないかと思います。全てを均等に持っている知識よりも、ひとつでも人よりより深く、持っている知識の方が個性的で、自然でいいのではないのでしょうか。また、好きなことをとことんまでやってみることによって、必ずその周辺の知識が必要となり、それほどの知識の偏りは生まれないようにも思います。
 今、中学生の女の子は、自分で高校に行きたいという希望から勉強を中心に活動をしています。自分からの自発的な動きであれば、当会スペースは全スタッフを上げてできる限りその希望をバックアップしていきたいと考えています。
 「ここに来れば、何かができる」。子どもたちにそう思ってもらえるようなスペースになっていくことができれば、うれしいと思います。

特定非営利活動法人BrainHumanity フリースクール事業部代表   倉 谷 明 伸

TSU・NA・GI 第5号(2000/4/20発行)より