●編集後記「ひとりごと」 17 関西大学のある学生の調査(年間オリコンチャート100位の曲の歌詞分析)によると、ここ10数年のヒット曲で、「ある言葉」が飛躍的に多用されるようになったそうである。それは「夢(Dream)」という言葉である。「失われた10年」などと形容され、行き詰まりをそこはかとなく感じさせる世相にあって、人々は「夢」という言葉に魅了され、そしてそれを希求しているのだろうか。一体社会で何が生起しているのだろう。◆そういえば、最近友人と話してて、「夢」について語る事が多くなった。「将来の夢」は如何なるものか、そのために何が今出来るのか/しなければならないのか。グランドデザインからアクションを練るというレベルの話まで行く事もあるが、大抵はそこまで行かず、「夢って何だろう?」という自問で終わる。◆大学生というモラトリアムな時期は、何気なく日常を過ごしていても、いざ「自分」と向き合うタイミングを与えられれば/得れば、問いと悩みが<わたし>に迫ってくる。しかも、その迫ってくるものから「逃げる」ことは多くの場合、許されない。大学も3年生ともなれば、歌に託してばかりはおれず、「夢」という言葉と真摯に向き合わねばならないようである。そのための同志なり、他者なりとの「語り」を大事にしたいものである。◆今号からのレクリエーション事業部スタッフによる新連載の名前も「ドリームキャッチャー」。どんな「夢」が、誰から誰に向けて語られるのだろうか。これから、楽しみである。(かわなか) |
「TSU・NA・GI」編集長 川中 大輔 TSU・NA・GI第3巻第2号(2001/6/20発行)より |