TSU・NA・GI

●ポレポレで行こう 8

 今から1年程前、彼女は悩んでいました。悩みは大学院に進学するか就職して社会に出るか。彼女の夢はカウンセラー関係の仕事をすること。それへの一番の近道は院へ行くことで、だから就職活動はしないと決めていました。中途半端はダメだ、絶対どちらかの道に決めなければと「今」の決断に固執しすぎていました。
 ある時、先輩から社会勉強がてらに就職活動をやってみることを勧められました。試しにやってみると、彼女は社会の広さと面白さを実感したのです。「そうだ、今決めてかからなくても、人生は長い。もっと社会に揉まれて自分の視野を広げ、キャリアを積んでからのほうが面白いかも。」そう考えた時彼女は楽になりました。肩の力が抜けて柔軟に将来を考えるようになりました。
 そうして夢のために一番自分が生かせる仕事を選びました。今では遠回りでもいいと思っています。夢はきっと「思ったとおりに叶えられてく」と信じているからです。
 ―これから就職活動をはじめる人へ、道はひとつではありません。

特定非営利活動法人ブレーンヒューマニティー
HEP事業部副事務局長・HEP講師
志水麻衣子

TSU・NA・GI第2巻第7号(2000/10/20発行)より