TSU・NA・GI

●「のじまのつぶやき」 12 〜やらないことをきめる〜

 この前、長野県松本までNPOマネジメントの会合に行ってきた。全国からNPOの代表者や事務局長などが30名ほど集まっていた。主催者である人と組織と地球のための国際研究所(IIHOE)代表の川北秀人さんの基調報告のあと、3つの分科会に分かれて討議が行われた。
 私はそのなかで「理事会の活性化」の分科会に入った。その内容については、また書くとして、その中で面白い発言があった。せんだいみやぎNPOセンターの方の発言である。「私のセンターの事務局には『やらないことを決める』と書かれた張り紙が貼られているんですよ。」うーん、さすがは我が国におけるNPOの先駆者だけのことはある。その発言に私は衝撃を受けた。
 「やらないことを決める」NPOはミッションに従った組織であるといわれる。しかし、現場では様々な状況に接し、様々な要請が舞い込んでくる。社会的問題の解決について、必死で取り組んでいるスタッフ、ボランティアも多い。それだからこそ、本来のミッションから離れ、より幅広い事業に拡大していく傾向を持つ。しかし、そのような状況のなかで何をやって、何をやらないのか、その区別を付けることが求められている。
 私たちは自分たちがやらないことをはっきりと決めているのだろうか。私は自分がやらない仕事を決められているのだろうか。この言葉を聞きながら、じっと自分のスケジュールを眺めながら、自問自答してみた。もう少しは、スケジュールに余裕ができるだろうか。

特定非営利活動法人ブレーンヒューマニティー代表
能 島  裕 介

TSU・NA・GI第2巻第8号(2000/11/20発行)より