●“relation”〜本会スタッフのリレーエッセイ〜 4 現在、就職活動中の私は「自己分析」というプロセスを通じて自分自身と向き合い、二十数年の人生を振り返る努力をここ数ヶ月行ってきた。「自己分析」とは普段気にもしない客観的な自分の姿を見つめなおす事だが、実際にはかなり難しく、なにより奥の深い作業を必要とする。今回は今の「野田洋一郎」という人間を形成するに至った経緯を辿る事で、私と同じ道を歩もうとしている後輩達に何かを伝える事が出来ればと思う。 私はBrainHumanityを支えている他の役員達と同じく中学部から関西学院で学んできた。代表の能島をはじめ、理事の森山・橋本は当時から生徒会や学友会の活動で活躍する優秀な生徒だったのをよく覚えている。一方の私は勉強も部活動も中途半端で、あまり目立つ存在の生徒ではなかった。中学部時代はタッチフットボール部に所属していたが、三年生に進級する直前には練習も休みがちになり、しかも定期試験において二回連続で欠点を取った為に退部を勧告された(当時はそのようなルールが存在した)。高等部への進学の際には成績不良が理由で、部長面談も経験している。私はそんな中途半端な自分自身が嫌いで嫌いで堪らなかった。普段は何も言わない両親に「あなたにはこれだけは人に負けないという物を持ってないの?」と言われた自分が情けなかった。 今、BrainHumanityで学んでいる後輩達にも同じような葛藤を見る事がある。彼等もきっと思い悩み、もがいているのに違いない。そんな彼等に私が伝えたい事は「多くの事に挑戦しろ」という事である。幸運にも関学生には受験勉強をする必要がない。大学卒業までの十年間を自由に使えるのだから、失敗や挫折を覚悟の上で多くの事に挑戦すべきなのだ。その失敗や挫折を通じて、自分の中に存在する才能や適性を見つける事が出来れば、大きな自信へと繋がるのは間違いないだろう。私は高校時代に米国へ留学する事で自分自身の適性を見出す事が出来た。両親には猛反対を食らったが、結局その留学が私の人生の一大転機となったのは言うまでもない。不思議な話だが、中学部時代に英語の試験で欠点しか取った事のない私が語学力を武器に社会に出ようとしているのだ。 多くの生徒がこの三月で進級・進学するだろう、新しい学年、新しい環境の中でもう一度君達が持つ無限の可能性について考えて欲しい。君達には君達自身でもまだ気付いてない多くの可能性を秘めていることを忘れずに関学での生活を思い切り楽しんでもらいたい。我々もそんな君達の為に精一杯のサポートをしていくつもりです。最後にこの三月で中学部・高等部を卒業する生徒諸君、卒業おめでとう。 最後に、リレーのたすきを渡します。次は、北川麻衣さんにお願いします。 |
特定非営利活動法人ブレーンヒューマニティー 財務担当理事 野田 洋一郎 TSU・NA・GI第4号(2000/3/20発行)より |